PET(ペット)とは、がんの検査方法の1つで、Positron Emission Tomography「陽電子放射断層撮影」の略語です。
がん細胞は正常細胞の3~8倍のブドウ糖を消費します。この性質を利用した検査がPET検査です。
ポジトロン核種と呼ばれる放射性物質を標識したブドウ糖(FDG)を体内に投与し、FDGの集積部位を画像化することで、がん細胞を発見します。

(PHILIPS社製 GEMINI GXL16)

(Siemens社製 Biograph mCT40)
PET/CT装置は、PET装置にCT装置が一体に組み込まれた装置であり、PETで見つけられた異常集積部位や異常所見部位が、どの部位に相当するのかを高精度に判断できる優れた装置です。
さらに、従来のPET単独装置よりも、約半分の時間で検査が終わるため、患者さまへの負担が少ないという利点もあります。
従来のPET単独の検査では、FDG異常集積部位が不明な場合でも、PET/CT装置では同じテーブル上で同一体位で同時に撮像されるCT像により、その解剖学的位置が正確に判断できます。
PET先進国の米国では、
PET Firstといわれるほど、がんの疑いがある場合には、まずPETで診断することが行なわれており、PETが活用されています。
PET/CTは、PETとCTが合体となった装置であり、PETの有用性をさらに高め、正確な診断に導く装置です。
がんPET/CT検診は、がん早期発見への近道です。
PET/CTは、
受診者に苦痛を感じさせず、全身を一度にスクリーニングできる新しい検査法です。無症状の方をPET/CTを中心に検診した場合のがんの発見の割合は、
1.7~3%と報告されており、一般の集団検診のがん発見率が0.1%前後であるのに対して高く、
約10倍以上の感度があるといえます。
近年、がんの治療は急速に進歩し、ごく初期のうちに見つけて治療をはじめれば、大部分のがんは治る時代になって来ました。
FDG PET/CT検査により、無症状のうちに早期がんを見つけ出すことは、死亡率を下げるばかりではなく、
患者の体に負担の少ない治療を選択でき、生活の質の確保にも貢献し、受診者に大きな利益をもたらせてくれます。
FDG PET/CT検査は、がんの早期発見に有用ですが、がん治療後の再発や他臓器への転移の観察にも大いに役立ちます。
検査症例など、FDG PET/CT検査について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
PET検査についてさらにお知りになりたい方は以下のサイトも参考にしてみてください。
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