臨床工学部 | 厚南セントヒル病院

臨床工学部 Clinical Engineering

概要

臨床工学技士はME(Medical Engineer)やCE(Clinical Engineer)と呼ばれ、生命維持管理装置をはじめとした医療機器の操作、および保守点検を行うことを業務とする専門医療職です。その業務範囲は代謝・呼吸・循環領域と多岐にわたり、当院では血液浄化業務を中心に、呼吸治療や不整脈治療で取り扱う医療機器の管理や操作などを担当しています。

医療機器の安全性と信頼性を確保するため、環境整備から、ベッドサイドでの臨床業務まで、機器を通して患者さんへ安心安全な検査、治療を提供できますよう、日々業務に励んでいます。

血液浄化療法室業務

当院の透析室は80台の透析用監視装置を有し、うち78台の透析用監視装置でオンラインHDF療法が可能です。腎不全に対する維持透析(HD、オンライン HDF)ならびに、持続的血液透析濾過(CHDF)、透析室へ移動困難な患者さんに対し、病棟での透析も行っています。
透析関連装置の定期点検やオンラインHDFに必要な透析液清浄化システムの管理、学会基準等をクリアした透析液を維持するための水質検査を担うほか、透析通信システムを導入し安全で質の高い治療をめざしています。

透析液清浄化システム

逆浸透水処理装置(MIEシリーズ)

RO膜消毒対応の全自動薬剤洗浄・消毒システムによって、カーボンフィルタ前から熱水消毒と薬液消毒が可能となり、処理水のクリーン化をさらにレベルアップしました。

全自動溶解装置(DAD-50NX)

密閉された配管により、外部からの菌混入を防止し、衛生的にも薬剤の開封から溶解・送液までを全自動で行うことで、質の高い透析液を作成しています。

透析液再循環システム

循環加温ユニット内のモルセップフィルタで、供給装置直後の透析液をろ過してから循環することで、さらなる清浄化を実現しました。

クエン酸熱水消毒

従来の薬液消毒から、薬液消毒とクエン酸熱水消毒を併用する消毒方法へ変更し、熱水によって薬液を使用した消毒では届かなかった細部まで、熱伝導によって消毒することが可能となりました。

透析棟外観

システム

災害対策

防災設備

二次災害防止のために弾力性のあるフレキシブルチューブを使用し、災害時の配管の亀裂、破損を防止しています。透析液供給装置には、粘着ゲルマットとステンレス板を組み合わせた転倒防止器具を取り付けています。そして、薬液タンクの蓋を密閉できるようにし、転倒した場合の薬剤流出と塩素ガスの発生を防いでいます。

循環器業務

スワンガンツカテーテルを使用した検査や体外式ペースメーカーの設定、ペースメーカー植込み手術の立会いなど、患者さんの状態をモニタリングして、治療に必要な装置を操作し医師・看護師や各種の医療技術者とともにチーム医療の一員としてサポートをしています。

医療機器管理業務

病院内で使用されるベッドサイドモニタ、輸液ポンプ、シリンジポンプ、経腸栄養ポンプなどの医療機器の中央管理化を図り、定期的な保守点検を行うことで、機器の故障や事故の発生を未然に防いでいます。また、人工呼吸器や病棟で使用している管理機器、透析関連機器の点検・修理、トラブル対応など、独自のデータベースで一括管理し、機器の中央管理・共用化による機器の運用を行っています。

検査業務

ABI(足関節上腕血圧比)検査、SPP(皮膚灌流圧)検査を行っています。ABI検査は両手、両足の血圧を測ることにより下肢の血流及び動脈硬化の診断が可能です。SPP検査は皮膚表面の毛細血管の流れを確認する事ができます。その他InBody(体成分分析装置)検査も行っており、体を構成する基本成分である体水分、タンパク質、ミネラル、体脂肪、筋肉量を測定する事が可能です。