FDG PET/CT検査のメリット
1.がんの早期発見に有用
今まで通常行われていたがんの検査では、1~2cm以下の早期がんを発見することは非常に困難でした。
また、何らかの自覚症状が現れた時には数cmの進行がん(急激に増殖・成長するとともに、あちこちに転移する)になっていることが多く、治療には手遅れであることも少なくありません。
しかし、がんは、早期に発見し、治療を開始すれば完治する病気と言われています。
そればかりか、早期であれば、治療方法の選択肢が広がるとともに、短期間の楽な治療で完治する症例も少なくありません。
PET検査では、1cm前後の早期がんより発見が可能であり、非常に有用な検査であるといえます。
また、FDG PET/CT検査では細胞の「活動の様子」がわかります。X線CTやMRIの検査では「かたち」や「位置」の情報が得られますが、両者の情報を相互に評価することで、より正確ながん診断が可能となります。
2.一度に全身の検査が可能
従来のがん検診は、胃、肺、乳房、子宮といった特定の部位のみを検査をするものでした。FDG PET/CT検査では、一度に身体の広い範囲(頭部から骨盤まで)を検査することができ、予想外の部位への転移の有無も調べることができます。
3.がんの発見率が高い
従来のがん検診では、それぞれの検査で1000人のうち1人から2人にがんの存在を認めるのみでした。しかし、FDG PET/CT検査と他の必要な検査を組み合わせる総合検査では、1000人のうち5-20人にがんが発見されているとの報告されています。
4.良性・悪性の推定が可能です。
薬剤(18F-FDG)の集積量で、良性・悪性を推定することが可能です。
5.診療方針が立てやすい
FDG PET/CT検査で異常集積があった場合、速やかに精密・確定検査に移行することができます。
また、一度の検査で異常部位の発見と同時に、転移・再発の有無の確認や、進行度の推定が出来るため、診療方針が立てやすくなります。
6.体に負担の少ない検査
静脈に18F-FDGを注射し、60分ほど安静にした後、PET/CT装置の上で20分程度で横になるだけで、身体の広い範囲(頭部から骨盤まで)が撮影されます。一度に全身の評価ができる点で優れた検査法です。
7.安全で楽な検査です。
検査の際、機械に寝ているだけで、注射以外には痛みを感じることはありません。
しかも服(検査着)を着たまま検査することができますので、安心して受けていただけます。